
生物・生物基礎|高2 11月進研模試対策
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高等学校範囲の生物・生物基礎の要点を体系にまとめました。概要に加えて、深い理解につながる重要語句の詳細な説明を用意しています。この範囲に限らず、生物は語句の意味の暗記と各々の現象や構造についての理解が必要です。適宜図説などをご参照ください。
今回は生物基礎のうち、高2 11月進研模試の出題範囲を扱います。
【注意】光合成と呼吸と遺伝子の範囲は生物基礎の範囲を多少超えているのでここまで難しいのは出題はされないかと思います。「植生の多様性と分布」と「細胞と分子」は選択問題です。前者は生物基礎の範囲なので一度は習っています。後者は4単位生物の範囲なので習っていません。ただ、「植生の多様性と分布」の内容は忘れているだろうし、「細胞と分子」は新しく覚えることが少なく、理解もしやすいので、個人的にどちらを選んでもあんまり変わらんのちゃうかとは思います。
生物の特徴
生物の多様性と共通性
地球の様々な環境には数千万種ともいわれる多種多様な生物が生活しています。生物の分類の基本的な単位を種といいます。交配によって生殖能力をもつ子孫を残すことができることが種の定義です。生物の形質が世代を重ねて受け継がれていく過程で変化していくことを進化といいます。そして生物の進化にもとづく類縁関係を系統といいます。これを表す図は系統樹と呼ばれています。
生物の共通性
すべての生物には次のような特徴がみられる
エネルギーと代謝
生物は体外から取り入れた物質をさまざまな化学反応により他の物質に作り変えて利用しています。これら生体内での化学反応全体を代謝といいます。代謝のうち複雑な物質を単純な物質に分解し、エネルギーを取り出す過程を異化といい、その代表的なものは呼吸です。また、単純な物質から複雑な物質を合成する過程を同化といいます。例として光合成における糖の合成があげられます。
エネルギーの通貨
一般的に、細胞内での代謝によるエネルギーのやりとりはATPと呼ばれる分子を仲立ちとして行われています。ATPはアデノシン三リン酸ともいいます。ATPは、
アデニン(塩基) — リボース(糖) ー リン酸 ー リン酸 ー リン酸
という構造をしています。このリン酸同士の結合を高エネルギーリン酸結合といい、この結合が切れてリン酸が二つになるとADP(アデノシン二リン酸)になります。この過程でエネルギーが放出されます。ちなみにアデノシンとはアデニンとリボースをまとめた言い方です。
ATPのリン酸が3つになるときエネルギーが放出される
リン酸が3つから2つになるときにエネルギーが放出されます。3つになるときはエネルギーをADPに与えています
リン酸が3つから2つになるときにエネルギーが放出されます。3つになるときはエネルギーをADPに与えています
酵素
代謝におけるさまざまな化学反応は酵素によって促進されます。酵素はおもにタンパク質でできており、DNAの遺伝情報にもとづいて細胞内で合成されています。また、それ自体は変化せず、化学反応を促進する物質を触媒といいます。生体内ではたらく触媒は生体触媒とも呼ばれます。酵素には最適温度と最適pHがあります。低温だと分子の運動が活発ではなく、高温すぎるとタンパク質が変性してしますためです。ヒトの体内の酵素はだいたい40℃が最適温度です。熱が出るのは酵素を頑張らせるためですね。
酵素が作用する相手の物質を基質といい、酵素の決まった物質としか反応しない性質を基質特異性といいます。酵素の活性部位に基質が結合し、酵素基質複合体を形成します。
呼吸と光合成
ここはかなり詳しくまとめました。進研模試対策としては、おおまかな反応系をおさえておけばいいと思います。下に乗せたのは4単位生物で学習する呼吸と光合成の内容も含んでいます。
呼吸
酸素を用いて有機物を完全に分解し、ATP合成(エネルギーを取り出す過程)を呼吸と言います。細胞質基質で行われる解答系、ミトコンドリアで行われるクエン酸回路、そして電子伝達系の3つからなります。
呼吸全体の式
- C₆H₁₂O₆+6H₂O+6O₂ → 6CO₂+12H₂O+38ATP
解糖系
細胞質基質で1分子のグルコースが2分子のピルビン酸に分解されます。この過程で2分子のATPと2分子のNADPが生じます。2分子のATPを消費してリン酸化が行われ、脱水素反応によって2NADH、脱リン酸化によって4ATPが合成されます。つまり、ATP2つとNADH2つを生産したことになります。
解糖系の式
- C₆H₁₂O₆+6NAD⁺ → 2C₃H₆O₃+2NADH+2H⁺+2ATP
クエン酸回路
2分子のピルビン酸はミトコンドリアのマトリックスに入り、脱水素反応や脱炭素反応の作用をうけながら酸化され、8分子のNADH、2分子のFADH2と6分子の二酸化炭素に分解されます。この過程で2分子のATPが合成されます。この回路反応をクエン酸回路と言います。

クエン酸回路の式(グルコース1分子あたり)
- 2C₃H₄O₃+6H₂O+8NAD⁺+2FAD → 6CO₂+8NADH+8H⁺+2FADH₂+2ATP
電子伝達系
解糖系やクエン酸回路で生じたNADHやFADH2は、ミトコンドリアの内膜(クリステ)で酸化されます。この一連の過程を酸化的リン酸化と言います。

この過程で、1分子のNADHあたり3分子のATPが、1分子のFADH2あたり2分子のATPが合成され、合計34分子のATPが合成されます。呼吸全体では34ATPが合成されます。
電子伝達系の式(グルコース1分子あたり)
- 10NADH+10H⁺+2FADH₂+6O₂ → 10NAD⁺+2FAD+12H₂O+34ATP

クエン酸回路で二番目に出てくるのは?
- オキサロ酢酸(2C4)
- ケトグルタル酸(2C5)
- コハク酸(2C4)
- クエン酸(2C6)
- フマル酸(2C4)
ピルビン酸が二酸化炭素と水素に分解されるので、炭素はだんだん減っていくはず!と考えてくれたらうれしい
ピルビン酸が二酸化炭素と水素に分解されるので、炭素はだんだん減っていくはず!と考えてくれたらうれしい
光合成
同化のうち、二酸化炭素をもとに有機物を合成するはたらきを炭酸同化といいます。光合成ではクロロフィルやカロテノイドなどの光合成色素によって光エネルギーが吸収されます。葉緑体のチラコイド膜では光エネルギーが吸収され、ATPNADPHが合成されます。葉緑体のストロマでは二酸化炭素から有機物を合成する反応が行われ、この反応系をカルビンベンソン回路といいます。

光合成の全体の式
- 6CO₂+12H₂O+光エネルギー → C₆H₁₂O₆+6H₂O+6O₂
光合成色素
光合成色素の種類
光合成色素は葉緑体のチラコイドに存在し、生物の種類によって色素の種類も異なっています。ただ、主色素はどれもクロロフィルaです。
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シアノバクテリアクロロフィルaフィコシアニン フィコエリトリン
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褐藻類クロロフィルaクロロフィルc フコキサンチン
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緑藻類 陸上植物クロロフィルaクロロフィルb カロテン キサントフィル
光合成色素
色素を分離する方法として、クロマトグラフィーがあります。
吸光度
光合成色素にはさまざまなものがあるが、それぞれ吸収する光の波長が異なる。各光合成色素の光の吸収の割合をグラフにあらわしたものを吸収スペクトルといいます。また、光の波長と葉の光合成の効率の関係をあらわしたものを作用スペクトルといいます。

グラフの形がクロロフィルaに影響されていることから、クロロフィルaが多く含まれていることがわかります。
チラコイドで起こる反応

水の分解で生じた電子が電子伝達系に伝達されるときにATPを合成する過程を光リン酸化といいます。また、クロロフィルが活性化し、電子を放出する反応を光化学反応といいます。
カルビンベンソン回路
ストロマではリプロース二リン酸カルボキシラーゼ(ルビスコ)など多くの酵素群のはたらきで、チラコイドで合成されたATPやNADPHを利用して、二酸化炭素が還元されて糖が合成されます。この反応は回路反応であり、カルビンベンソン回路といいます。

NADP⁺をNADPHに変える反応系は?
- 1電子伝達系
- 2カルビン回路
- 3光化学系Ⅰ
- 4光化学系Ⅱ
解説!光化学系はⅡ→Ⅰの順で反応が進むよ
解説!光化学系はⅡ→Ⅰの順で反応が進むよ
遺伝子とその働き
遺伝子
染色体
染色体とは端的に言うと、遺伝情報の発言と伝達を担う生体物質です。遺伝子は染色体を通して子孫に伝わります。DNAが集まって染色体となるわけです。遺伝子・染色体・DNA、この言葉の定義を確実におさえましょう。
染色体の構造
真核生物の染色体はDNAがヒストンという円盤状のタンパク質にまきついています。これをヌクレオソームと言います。そして、これを積み重ねるとクロマチン繊維になります。染色体はこれが何重にも折りたたまれてできています。
-
相同染色体1個の体細胞には形と大きさが同じ染色体が2本あります。このように対をなす染色体を相同染色体といいます。
-
遺伝子座染色体の中で占める遺伝子の位置を遺伝子座といいます。
-
常染色体雄雌で共通の染色体を常染色体といいます。ヒトの場合、23対の染色体のうち、22対がこれにあたります。
-
性染色体雄雌で異なる染色体を性染色体といいます。ヒトの場合、46本の染色体のうち、2本がこれにあたります。
染色体いろいろ
ヌクレオソームが積み重なったものは?
- クロマチン繊維
- ヒストン
- 染色体
- DNA
DNA+ヒストン=ヌクレオソームです。
やりなおしー。
減数分裂
減数分裂は体細胞分裂とは異なり、生殖細胞を形成する器官で行われます。
特徴
・2回の分裂からなり、娘細胞が4個生じます。
・第一分裂で相同染色体が対合し、二価染色体を形成します。
・第一分裂の終わりに染色体数が半減します。
過程

DNA量の変化

細胞周期
細胞の分裂が終わってから次の分裂が終わるまでの過程を細胞周期といいます。細胞周期は間期と分裂期にわかれており、間期はDNA合成準備期(G₁期)、DNA合成期(S期)、分裂準備期(G₂期)に細分されます。分裂期はM期ともいいます。細胞当たりのDNA量が増えるのはS期です。
DNA
ここでは、DNAの基礎知識をまとめました。
DNAの構造
DNAの構成単位は糖(デオキシリボース)にリン酸と塩基が結合したヌクレオチドです。
-
Aアデニン Tと仲良し
-
Tチミン Aと仲良し
-
Gグアニン Cと仲良し
-
Cシトシン Gと仲良し
塩基

このように塩基の部分でヌクレオチドが互いに水素結合しています。また、塩基の仲良しの関係を相補性といいます。
2重らせんモデル
ワトソンとクリックが1953年にDNAの構造を解明しました。DNAのこのような構造を2重らせんモデルといいます。
DNAの複製
おおまかな流れ
DNAの複製では、DNAの2本鎖がほどけて1本の鋳型となります。DNAポリメラーゼによって元の塩基配列と相補的な塩基配列をもつヌクレオチド鎖が形成されます。もとの1本鎖と新しい1本鎖が二重らせんを形成し、同じ塩基配列をもつDNAが2分子合成されます。これを半保存的複製といいます。
複製のしくみ
DNAポリメラーゼは5'→3'方向だけに鎖を合成する リーディング鎖では連続的に新しい鎖が形成される
ラギング鎖では、不連続なDNA断片である岡崎フラグメントが合成される 岡崎フラグメントはDNAリカーゼによって連結される

転写と翻訳
セントラルドグマ
DNAの塩基配列はまずRNAに置換されます。このことを転写といいます。次に、RNAの塩基配列はタンパク質のアミノ酸配列に置き換わります。この過程を翻訳といいます。これは生物が共通にもつ基本法則であり、クリックはこれをセントラルドグマと呼びました。

転写
生体内においてDNAを鋳型にしてRNAが合成される過程のことを転写といいます。この1文は暗記してもいいかも。
-
mRNADNAの遺伝情報を写し取り、遺伝情報をリボソームに伝える
-
tRNA特定のアミノ酸と結合し、mRNAの遺伝情報にしたがってアミノ酸をリボソームに運ぶ
-
rRNA触媒活性をもつRNAであり、リボソームの構成成分となる
RNAいろいろ
RNAとDNA
DNAとRNAはどちらもヌクレオチドから構成されるが、次の点で異なります。
-
構造DNAは2本鎖 RNAは1本鎖
-
糖DNAはデオキシリボース RNAはリボース
-
塩基DNAはATGC RNAはAUGC
相違点
DNAを構成する塩基は4種類、タンパク質を合成するアミノ酸は20種類です。塩基1つや2つで遺伝暗号を作ろうとすると足りません。塩基3つで1つの暗号とすると、20種類のアミノ酸を表現するのにことたります。この3つの組の塩基のことをトリプレットといい、mRNAのトリプレットをコドン、tRNAのトリプレットをアンチコドンといいます。
正しいのは?
- 転写も複製も5’から3’の方向に向けて行われる
- 転写も複製も3’から5’の方向に向けて行われる
- 複製は5’から3’、転写はその 逆の方向に向けて行われる
- 複製は3’から5’、転写はその 逆の方向に向けて行われる
えらい
翻訳
mRNAの塩基配列をもとにタンパク質が合成される過程を翻訳といいます。3個の塩基配列のことコドンといい、ここから1つのアミノ酸が指定されます。ややこしい。
DNAからタンパク質まで
この中でタンパク質のもととなる遺伝情報をもつのは?
- rRNA
- tRNA
- mRNA
- リボソーム
mRNAは伝令RNAともいいます。
がんばって
生物の体内環境
体液
体液の成分
ヒトなどの多くの動物はからだの表面を覆う皮膚などの一部の細胞が体外環境と接しているだけで、それ以外の細胞は体内の液体に浸されています。この液体を体液といいます。細胞はこの体液との間で物質のやり取りをしています。体液は細胞にとってある種の環境であるので、体液を体外環境に対して体内環境といいます。動物では様々な器官のはたらきによって体液の状態を一定に保っています。このような体内環境が一定に維持されている状態を恒常性(ホメオスタシス)といいます。
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組織液細胞に酸素や栄養分を渡し、二酸化炭素や老廃物を受け取る
-
リンパ液白血球の一種であるリンパ球が含まれ、免疫にはたらく
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血液血管を流れる液体
体液の成分
下は血液の各成分です。二行目は核の有無と血液1㎜³あたりの個数です。三行目は各々のはたらき。
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赤血球核無し 450万/mm³酸素の運搬
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白血球核有り 4000~9000/mm³免疫
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血小板核無し 20万~40万/㎜³血液凝固
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血しょう構成成分:水90% タンパク質7% グルコース 脂質など栄養分・老廃物などの運搬 血液凝固 免疫
血液の成分
血液凝固
毛細血管は血管壁が薄く、外傷によって破損しやすいです。なのでからだには破損した血管からの出血を防ぐために血液が凝固するしくみがあります。
肝臓と腎臓
肝臓
肝臓はからだに必要な物質の合成や不要な物質の分解を通して、タンパク質や脂質、糖質などの比較的大きな物質の濃度の調節をしています。肝臓には肝門脈から血液が流れてきます。肝臓には1㎜ほどの大きさの肝小体が集まっており、1つの肝臓は50万個の肝細胞からなります。肝小体には胆細管という管があり、これが集まって胆管へとつながります。ここから放出される液体を胆汁といいます。胆汁には元々赤血球のヘモグロビンであったビリルビンという物質が含まれています。これは胆のうに集まれれたのち、便とともに体外に排出されます。
肝臓にはグルコースがグリコーゲンという形で保管されています。低血糖になるとここのグリコーゲンが分解されます。また、腎臓には人体にとって有害なアンモニアを尿素に変え、血液中に排出する役割もあります。
腎臓
腎臓はからだの水分量やナトリウムイオンなどの比較的小さな物質の濃度を調節します。また、それらを尿として排出します。腎臓の動脈は腎臓に入ると毛細血管となって糸玉状の糸球体となります。これはボーマンのうに包まれており、こうの2つを合わせて腎小体と呼びます。ボーマンのうではろ過が起こっており、小さな物質がボーマンのうへこしだされます。ろ過されたものを原尿といいます。
ボーマンのうから続く管を細尿管といい、ここで原尿のうち必要な物質を再吸収しています。細尿管が集まると集合管と呼ばれ、再吸収されなかったものがここに濃縮されます。そして輸尿管を経てぼうこうに集まり、尿として体外に排出されます。
神経とホルモン
体内環境の維持を行う中枢としてはたらいているのは脳の間脳にある視床下部です。ここは自律神経系と内分泌系という2つのしくみを通して各器官のはたらきを調節しています。
自律神経系
こいつは内臓、平滑筋、心筋や血管、分泌腺などに信号を送り、体温や血液循環、消化などのはたらきを調節しています。自律神経系は次の2つからなります。
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促進心臓拍動(血圧上がる)
-
抑制胃腸ぜん動 排尿
交感神経
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促進胃腸ぜん動 排尿
-
抑制心臓拍動(血圧下がる)
副交感神経
多くの場合、器官を双方の支配を受けており、両者のはたらきは拮抗的です。また、心臓君は特殊で自律神経による調節がなくても一定のリズムで拍動します。これを心臓の自動性といいます。
内分泌系
ここではホルモンを分泌することで指令を送ります。ホルモンをつくる器官を内分泌腺といい、ヒトの内分泌腺には次のものがあります。「内分泌腺 ホルモン おもなはたらき」の順で載せています。
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視床下部放出ホルモン 放出抑制ホルモンホルモン分泌の促進と抑制
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脳下垂体 前葉 ①成長ホルモンタンパク質合成の促進、血統濃度の上昇
体全体の発育促進 -
脳下垂体 前葉 ②甲状腺刺激ホルモン甲状腺の発育、チロキシンの分泌促進
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脳下垂体 前葉 ③副腎皮質刺激ホルモン副腎皮質の発育、糖質コルチコイドでの分泌促進
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脳下垂体 後葉バソプレシン血圧上昇の促進、腎臓での水分再吸収の促進
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甲状腺チロキシン生体内の化学反応の促進
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副甲状腺パラトルモン血液中のカルシウムイオン濃度を上げる
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副腎髄質アドレナリングリコーゲンの分解を促進、血統濃度を上げる
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副腎皮質 ①糖質コルチコイドタンパク質からの糖の合成を促進、血統濃度を上げる
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副腎皮質 ②鉱質コルチコイド腎臓でのナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排出を促進
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すい臓のランゲルハンス島 ①インスリングリコーゲンの合成と組織での糖の呼吸消費を促進し、血統濃度を下げる
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すい臓のランゲルハンス島 ②グルカゴングリコーゲンの分解を促進、血統濃度を上げる
ヒトのおもなホルモン
最終産物は最終的なはたらきの効果がはじめの段階にもろって作用を及ぼすことをフィードバックといいます。とくに最終的なはたらきの効果が逆になるようにはじめの段階にはたらきかける場合のことを負のフィードバックといいます。多くのホルモンはこれによって分泌量が一定の範囲で維持されています。
免疫
細胞の生命活動を支える体内環境は、体外に多数存在する細菌やウイルスなどのさまざまな病原体にとっても好ましい環境です。したがって、これらを防ぐ仕組みが体に無ければ病原体が体内に侵入して盛んに繁殖してその生物を死に追い込むことさえあります。生物の体に備わっている、さまざまな病原体から身を守るしくみを免疫といいます。
自然免疫
ヒトの体は三重のしくみによって体が守られています。体内への異物の侵入を防ぐ物理・化学的防御、体内に侵入した異物を食細胞が行う食作用がそのうちの2つです。この2つをまとめて自然免疫といいます。
物理・化学的防御
物理的防御
異物の多くは皮膚や粘膜によるこの物理・化学的防御によって侵入が阻止されます。皮膚は表面をおおう表皮と深部の真皮からなります。表皮の表面は角質層を形成しており、これが物理的に病原体の侵入を防いでいます。
化学的防御
皮膚にある皮脂腺や汗腺はに皮膚の表面を弱酸性に保つ物質を分泌しています。これは多くの病原菌の繁殖を防いでいます。また、分泌物には微生物の細胞壁を破壊する酵素のリゾチームや細胞膜を破壊するタンパク質であるディフェンシンが含まれています。
食作用
第二の防御である食作用は食細胞によって行われます。食細胞は異物を取りこんで分解、消化して排除します。食細胞にはいくつか種類があり、それぞれが次のような役割を担っています。
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好中球こいつが一番多い通常は血管内に存在する毛細血管の壁を通り抜け、異物が侵入した組織で食作用を行うそのあと死んじゃう、つまり使い捨て
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マクロファージ大型の食細胞で組織中に分布するこいつは毛細血管を拡張して、食細胞が組織に集まりやすくする自身も食作用を行うので、さぼろうとしているわけではない
-
樹状細胞食作用で取り込んだ異物の情報をリンパ節に移動してリンパ球に提示するこれにより適応免疫が開始される
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ナチュラルキラー(NK)細胞病原体に感染した細胞やがん細胞を排除するリンパ球笑うとこいつ活性化するらしい
おれたち食細胞
適応免疫
自然免疫で排除できなかった異物には適応免疫がはたらきます。リンパ球が異物を認識して適応免疫が始まるのですが、個々のリンパ球は1種類の異物しか認識できません。そこで認識する種類の異なるリンパ球が少数ずつ用意されています。ただ、多様なリンパをつくる過程で、自分自身を攻撃しちゃうやつが作られてしまいます。そのため、こやつを死滅させたり、はたらきを抑えたりしなければなりません。このように自分自身に免疫がはたらかない状態をつくることを免疫寛容といいます。
適応免疫のしくみ
記憶細胞は次に同じ異物が侵入したときにすみやあかに増殖して免疫反応を引き起こします(免疫記憶)。これを二次応答といい、一次応答よりも短い時間で発動し、強力に作用します。下は表の(5)の具体的な内容です。
細胞性免疫
キラーT細胞やヘルパーT細胞が中心となっておこる感染細胞への攻撃と食作用の増強
体液性免疫
B細胞が中心となっておこる、抗体による免疫反応
植生の多様性と分布
植生と遷移
植生
ある場所に植物が生育しているとき、その場所をおおっている植物全体を植生といいます。地球上にはその場所の環境に応じた多様な植生が見られます。また、植物全体の外観を相観といい、同じような気温や降水量の地域には同じような相観をもつ植生が成立しています。そして、植生を構成する植物のうち、量的な割合が高い種を優占種といいます。
森林の構造
森林の内部を見ると林冠と呼ばれる森林の最上部から、林床と呼ばれる地面に近い場所までさまざまな樹木が葉を広げています。発達して森林では垂直方向の階層構造が見られます。
林冠 高木層→亜高木層→低木層→草本層→地表層 林床
遷移
ある場所の植生が時間とともに移り変わり、一定の方向性をもって変化していく現象を遷移といいます。順を追って解説していきます。
遷移の初期に現れる樹木を先駆樹種といい、多くは陽樹である 低木林がやがて森林となり、地表に日光が届きにくくなる 弱い光のもとでは生育できない先駆樹種の種子は発芽しても枯れたり、発芽せずに土壌中に保持されたりする 弱い光のもとでも生育できる樹木(極相樹種)が現れる
その多くは陰樹である 少しずつ先駆植物が極相樹種へと交代し、やがて極相林となる
ただし、極相林の到達するには長い年月が必要で、その間に自然災害による破壊を受けるのでなかなか極相林には至りません。遷移の後期に見られる極相林であっても林冠を形成する樹木の枝が折れたり、樹木が倒れたりして林床に光が届くことがあります。このような場所をギャップといいます。ここでは先駆植物の種子も発芽して生育し、林冠にまで到達することがあります。森林は極相林であっても様々な樹木がモザイク状にまじるようにして維持されています。
大規模な森林の破壊によって大きなギャップができると荒原や草原から再び遷移が始まることがあります。これは二次遷移といって、裸地から始まる一次遷移の比べてかなり早く遷移が進行します。
気候とバイオーム
世界のバイオームとその分布
地理でならったように、地球上には様々な特徴のある気候が存在します。気候的要因はその地域の植生やそこに生息する動物に大きな影響を与えます。その地域の植生や動物などを含めた生物のまとまりをバイオーム(生物群系)といいます。ケッペンさんは植生の相観にもとづいてバイオームを分類しました。ここでは各気候区分の植生をまとめました。
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熱帯多雨林・亜熱帯多雨林おもに常緑広葉樹からなる森林で、階層構造が発達しているつる植物 着生植物 菌類 マングローブ林 動物の種類も豊富
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雨緑樹林雨季と乾季がはっきりしている熱帯や亜熱帯の地域に分布、落葉樹林が多いチーク類(シソ科の落葉高木)
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照葉樹林年平均気温が高い暖温帯に分布、常緑広葉樹からなるシイ類 カシ類 タブノキ
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硬葉樹林夏乾燥、冬雨多いCs気候に分布オリーブ コルクガシ(厚いクチクラ層をもつ)
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夏緑樹林年平均気温が低い冷温帯に分布、落葉広葉樹が多いブナ ミズナラ カエデ類
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針葉樹林亜寒帯に分布、種数は少なく、主に常緑針葉樹からなるトウヒ類 モミ類 カラマツ類
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サバンナ熱帯や亜熱帯の降水量の少ない地域に分布する草原イネの仲間 シマウマ ヌー
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ステップ温帯の内陸部にある草原イネの仲間 お花畑 バッタ類
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砂漠熱帯や温帯で降水量が極端に少ない地域に分布サボさん 多肉植物 一年草植物
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ツンドラ北極圏などの寒帯の分布草本類 地衣類 コケ植物
世界のバイオームとその分布
日本のバイオームとその分布
気温の分布は緯度に対応して帯状となるため、バイオームも同じように帯状に近い形で分布しています。このような水平方向の分布を水平分布といいます。
亜熱帯多雨林→照葉樹林→夏緑樹林→針葉樹林
気温は一般に標高が1000m高くなると5~6℃低くなります。したがって高山では標高に応じて低緯度から高緯度への変化と同じようなバイオームの分布が見られます。このような標高に応じた分布を垂直分布といいます。
照葉樹林→夏緑樹林→針葉樹林、落葉広葉樹
森林限界より標高が高いところは高山帯と呼ばれ、強風と低温で森林はできません。
-
亜熱帯多雨林木生シダ類 アコウ ガジュマル
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照葉樹林シイ類 カシ類 タブノキ
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落葉広葉樹コナラ クヌギ
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夏緑樹林ブナ ミズナラ カエデ類
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針葉樹林トドマツ エゾマツ
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丘陵帯シイ類 カシ類
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山地帯ブナ ミズナラ
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亜高山帯シラビソ コメツガ ダケカンバの林(落葉広葉樹)
分布における主な樹種
細胞と分子
細胞って何?
細胞とは生物の構造および機能の基本的単位を構成する生命体です。中には単細胞生物として単独で生命活動を営むものもいますが、多くは多細胞生物の異なる組織・器官に分化し、個体としての生命体を形成する単位となっています。
真核細胞と原核細胞
細胞は大きく2つに分類されます。それは真核細胞と原核細胞です。この2つの違いを確実におさえよう。
原核細胞
真核細胞
また、真核細胞からなる生物を真核生物、原核細胞からなる生物を原核生物といいます。
-
細胞膜半透明性、選択的透過性をもつ細胞内物質の出し入れをおこなう
-
核二重の核膜で包まれている内部に数個の核小体をもつ核小体ではRNAの合成がされている
-
葉緑体二重膜で包まれている光合成により、二酸化炭素と水から糖を合成する
-
ミトコンドリア二重膜で包まれている呼吸によりATPを生産する
-
中心体2個の中心粒からなる動物細胞では細胞分裂の起点となる種子植物にはないが、藻類やシダ、コケにはある
-
小胞体滑面小胞体:脂質合成の場粗面小胞体:タンパク質の輸送を行う
-
ゴルジ体扁平な袋状の小胞が重なっているタンパク質を細胞外へ分泌する
-
リボソームタンパク質合成の場
-
リソソームリボソームよりでかい細胞内消化を行う
-
細胞壁全透制を示す主成分はセルロース
-
液胞細胞内の浸透圧調節に関与有機酸や無機塩類などを含む細胞液で満たされている老廃物(アントシアンなど)が蓄積される
細胞小器官

この中で唯一真核生物なのは?
- 酵母
- 大腸菌
- 高熱性細菌
- アオコ
酵母は真核生物の菌類に分類されます。ちなみに大腸菌は原核生物の真正細菌、高熱性細菌は古細菌、アオコはシアノバクテリアの一種です。
菌類は真核生物、細菌は原核生物です。どっちも菌ってついてて分かりにくいね。詳しくは進化と系統の記事を参照してください。
生体膜と細胞骨格
生体膜
細胞膜や細胞小器官の膜をまとめて生体膜といいます。生体膜は、リン脂質の二重層からできています。
-
頭部リン脂質の頭部はリン酸でできており、親水性である
-
尾部尾部は脂肪酸でできており、疎水性である
また、一つのリン酸につき、二つの脂肪酸がくっついている
リン脂質

尾部同士がつながれており、膜の内側と外側は親水性のリン酸で構成されてます。また、その膜にはちょいちょい膜タンパク質がはさまっててホルモンやイオンを通してます。
細胞骨格
細胞内の形や細胞小器官の形を支える繊維状の構造を細胞骨格といいます。
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微小管微小のくせに一番でかい。直径25nmでαチューブリンとβチューブリンがあるαが-端、βが+端でこの二つが鎖状に結合したのが13本集まっている繊毛とか鞭毛とかにある
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アクチンフィラメントタンパク質のアクチンからなる7mmの繊維アメーバ運動や細胞分裂時のくびれの形成、筋収縮に関与する
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中間径フィラメントあんまり言うことない直径10mmで強度があり、細胞や核の形を保つ
様々な細胞骨格
細胞間結合
膜タンパク質のよって細胞同士が結合することを細胞間結合といいます。上皮組織の場合、次の3つがあります。
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密着結合接着タンパク質同士の結合小腸の上皮細胞でみられる低分子物質も通さない かっこいい
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固定結合細胞骨格と接着タンパク質の結合伸縮性と強度を与えるカドヘリンが活躍
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ギャップ結合中空のタンパクによる結合低分子は通す
細胞間結合
読んでくれてありがとう。図説もみてイメージをつかんでね。
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