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百人一首~古典の泉~ 第八号

2020.08.14
たいまつ
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古典百人一首シリーズ日本史
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さすがです。何回も考えることで脳に定着します。また数日後も満点が取れたら完璧!惜しい。もう一回見直して次は目指せ満点!しっかり解説を読みましたか?もう一回見直して次は目指せ満点!問題等に不備等がございましたら以下のリンクよりご連絡ください。

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 どうも、たいまつです。今回は百人一首第八首目について解説します。今回の歌は、京都府の宇治市の地名が出てきます。「宇治茶」で有名になってきてたりしますが、京都市の南部にある、京都市に次いで人口が多い市です。宇治市にある世界遺産の平等院鳳凰堂は10円玉にも載っていますね。

重要語句を隠す
1. 今回の歌
    2. 見出し
    3. 作者紹介
    4. 復習クイズ
      5. 最後に

        今回の歌

         今回の百人一首の歌を解説していきます

        わが庵は 都のたつみ しかぞすむ
        世をうぢ山と 人はいふなり

        喜撰法師

         まず、簡単に単語を解説しますと
        庵...故郷を離れた場所にある小屋、草庵
        都...当時の平安京のこと、京都
         その他は次の段落で詳しく解説します。

        見出し

         今回は小見出しを使って解説しましょう

        歌意

         まず、歌の全体の意味を言いますと、
         私の草庵は都の東南の方角にあり、このように(心静かに)住んでいる。(それなのに)世を憂きものと思って住む、その宇治山だと、世間の人は言っていると言うことだ。
         では、重要ポイントを解説していきましょう。

        「都のたつみ」

         都は先ほど言った通り。「たつみ」は十二支に出てきますね。その時代、方角を十二支で表すことがありました。時計と合わせて考えてみると分かりやすいです。「子(ね)」を12時において、次は「丑(うし)」を1時、「寅(とら)」を2時...というふうにおいていくと、「辰(たつ)」「巳(み)」はそれぞれ4時、5時になりますね。そして12時は、3時は、6時は、9時は西を表しますから、「たつみ」は南東を指していると分かりますね。
         「都のたつみ」は、京都の南東、この場合、宇治にある「わが庵」のことを指しています。

        「しかぞすむ」

         「鹿?」と思った人もいるのではないですか。それはもう作者の思うつぼですね。先ほど「たつみ」は干支だと言いました。普通、たつみと来れば次は「午(うま)」ですが、鹿を出すと言う作者の遊び心が見れますね。しかし、「鹿ぞすむ」という意はあえて掛けず、あらわにそれを出して歌の品位を下げないようにしていると考えられます。
         文法的には、「しか」は「このように」という意味の副詞で、「ぞ」は係助詞で係り結びが発生しているため、その直後の「すむ」は実は終止形ではなく連体形になっています。

        「うぢ山」

         出ました、宇治です。実際「うぢ」は掛詞で二つの意味を含んでいます。1つはもちろん「宇治山」。2つ目は「憂し山」というもので、「(世を)つらいものと思っている」という意味があります。
         その2つを掛け合わせて、「世の中をつらいものと思って、宇治山に引き籠っている」という意味になります。

         重要なポイントだけ述べるとこんな感じです。追加して言うことは、「世をうぢ山と」の「う」も兎と掛かっており、それも干支の言葉遊びを使っているということくらいですね。このような言葉遊びをして世の中の人々は楽しんでいるのだろう、ということも含めて人々に抗議しているようにも見られますが、その口調にはほほえましい明るさがあります。

        作者紹介

        喜撰法師(きせんほうし)

         喜撰法師は六歌仙の一人です。
         六歌仙は、これまでの百人一首の記事で四人連続で出てきたこともあった三十六歌仙とは違い、『古今和歌集』に載せられた代表的な歌人6人のことで、三十六歌仙は藤原公任(ふじわらのきんとう)によって選ばれた和歌の名人36人のことです。公任(966年〜1041年)の生きていた時代、喜撰法師はまだ誕生してない(1118年生まれ)ため、三十六歌仙には選出されていません。

         喜撰法師の歌で今に伝えられるものは、この百人一首の歌ともう1つの2つとされ、彼についての伝記も無く、詳しいことはあまり分かっていないそうだ。生没年も不詳。

         伝承では山城国乙訓郡の生まれとされ、出家後に醍醐山へと入り、後に宇治山に隠棲しやがて仙人に変じたといわれる。

         この歌から、「喜撰」は宇治茶の銘柄になっていたり、茶の隠語になっていたりする。

        復習クイズ

         いつも通りクイズを出します。目指せ満点!

        「たつみ」とはどこの方角を指しているか。八方位で答えなさい。
        その通り!正解は南東,東南です

        「たつみ」の順番なので、「東南」の方がよいかもしれませんが、なぜその方位を指すかが分かればもう完璧です。

        残念!正解は南東,東南です。

        解説をもう一回読みましょう。方位が分かるだけでなく、しっかりなぜそうなるかも覚えましょう。

        「しかぞすむ」という部分で正しいものを選べ

        今回紹介した歌に使われている修辞はどれ?

        今回紹介した歌の作者は?
        その通り!正解は喜撰法師です

        歌と作者とを一緒に覚えることが大事ですので、忘れないように反復練習して脳に定着させよう。

        残念!正解は喜撰法師です。

        歌と作者とを一緒に覚えることが大事です。何回も覚え直して脳に定着させよう。

         全問正解できました?今回の歌は簡単に言うと、心静かに過ごしたいと思って隠居生活をしている自分を、なんでつらいことがあったから隠居をしているなどと言うのかね、と言う意味の歌ですね。みなさんも、一人で居たいことや、何かを違うように他人に解釈されてしまうこともあると思います。そんな時はこの歌を思い出しましょう。そして詠みましょう。

        最後に

         読んでくれてありがとうございました。今回の歌は、作者の当時の心境が現代の私たちでも理解しやすく、歌意も今に通じるものがあったと思います。みなさんも、ふと思ったことがあったら詠んでみるのがいいかもしれませんね。考えているだけで心が安らぎます。
         他の気になった記事もぜひ読んでいってください。また記事でお会いしましょう。

        百人一首~古典の泉~ 第一号

        たいまつ

         百人一首の記事の連載第一号です。前回までの記事が読めていない人はぜひ読んでいってください。

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